(参加企業数)
原薬工業会とは沿革
45周年を迎えて
日本医薬品原薬工業会(2005年以降)15年間の歩み
2021.3
日本医薬品原薬工業会(原薬工)は、1975年(昭和50年8月29日)、22社の会員会社でスタートし、2005年(平成17年)には原薬工30周年記念事業を行った。「日本医薬品原薬工業会 30年の歩み」としてホームページにも掲載している。
2020年は創立45年の節目に当たることから、2005年以降の15年間の原薬工の活動の足跡を残すため、総務経済委員会、法規委員会、GMP委員会の協力のもと、とりまとめを行った。
原薬工30周年記念事業
原薬工30周年記念事業については、2004年11月から総務経済委員会にて「発展と感謝」というテーマで取り組みを開始し、2005年10月21日、ホテルメトロポリタン エドモントにて30周年記念式典が開催された。祝賀会には行政及び業界団体から来賓13名のご出席を賜り、138名が参加し盛大に行われた。
薬事法改正による製造承認制度から製造販売承認制度への移行
2005年は、製造販売承認制度への移行などを含む改正薬事法(平成14年7月31日公布)が全面施行された年である。製造販売承認制度が導入されたことで、製造業者と市場に供給し市販後安全対策等に責任を有する製造販売業者に分離されたが、これにより製造業者の市場等に対する責任が軽減されるわけではなく、良質な製品の生産・供給が製造業の基本にあることに変わりはない。
2005年10月19日の薬事日報の原薬工特集記事で、白鳥豊会長は、「医薬品産業界では、グローバルでの企業再編が進んでいる。その中で、原薬メーカーが生き残っていくには、会員各社自らが、どう前向きに対処していくかにかかっている。会員企業における業務提携などでは、企業トップ同士の信頼関係が不可欠であり、それを醸成しておきたい。また、薬事法改正により、原薬の委受託製造が完全自由化されたが、原薬メーカーの命に「品質」を掲げ、品質保証を重視した体制の整備が、今後の原薬メーカー盛衰の鍵だとし、今後、製造販売業者に選択されるには原薬メーカーとして品質保証とGMP対応を重視する企業姿勢や企業のあり方であろう」と述べている。
また、法改正では、審査の事務効率化及び知的財産の保護を目的とした原薬等登録原簿(マスターファイル: MF)制度が導入された。この制度によって、製造上の技術・工夫やノウハウの開発・集積に熱心な企業は、より報われやすいこととなった。
製造販売業者と製造業者との取決め
改正薬事法により、製造販売業者は医薬品等の製造については全面的に他社の製造業者に委託することが可能となったが、GQP省令に基づき、製造販売業者は製造業者との品質に関する取決めが必要となった。取決めに関する契約書の見本の作成に向け、日本製薬工業会(製薬協)と原薬工の共同で検討を行い、最終的に日薬連から2005年2月1日付で「製造販売業者と製造業者の取決め見本について」として業界関係者に配布、活用されることとなった。
原薬等登録原簿(MF)
原薬製造業者等の知的財産保護の観点から導入されたMF制度に関して、法規委員会では検討を進め、2006年1月31日に東京薬業健保会館にて「原薬等登録原簿(MF)に関する説明会」を開催し、原薬製造業者からみた原薬の製造手順に関する記載例の提案を行った。
2008年1月には第8回医薬品品質フォーラムシンポジウムにおいて「原薬供給業者からみた原薬の品質保証の問題点」、2011年9月には第105回薬事エキスパート研修会において「原薬製造者から見た変更カテゴリに関する課題」を法規委員会から講演を行った。
また、法規委員会は、2009年7月以降、PMDAのMF管理室との意見交換を行うとともにMF研修会への協力を行っており、2017年6月には「MF変更登録申請書作成実務のコツ」の冊子を作成した。
CPhIジャパンの後援及びコンファレンスでの講演
原薬工はUBMジャパン(現インフォーマ マーケッツ ジャパン)及び化学工業日報社主催のCPhIジャパン(国際医薬品原料・中間体展)の後援を行ってきており、会場である東京ビッグサイトでは原薬工特設ブースでの会員会社の展示の他、会議棟にてGMP実務担当者研修会を開催している。
また、CPhIジャパンのコンファレンスでは、GMP委員会から2008年には「薬事法改正後の製造販売業者と製造業者の連携の在り方について」、2012年には「原薬製造における品質の管理と日本を取り巻く海外の動向について」の講演を行った。
2017年4月に開催されたCPhIジャパンのコンファレンスでは、高美副会長が「原薬メーカーとしてどう生きるか~メイドインジャパンの価値」の講演、2018年4月には、桂副会長が「日本製の原薬を選択する理由」の講演、2019年3月には、白鳥(悟嗣)理事が「日系原薬製造企業の挑戦~国内外製薬企業の要望からの考察~」の講演を行った。
2020年のCPhIジャパンは新型コロナ感染症拡大のため延期となった。
「原薬取扱いの手引き」及び薬事関連教育資料の作成
法規委員会では、平成13年度研修報告として作成した「原薬取扱いの手引き」を、2005年に施行された改正薬事法に準拠させるために全面改訂を行い、2010年12月に「原薬取扱いの手引き 2010年版」を発刊した。
その後、PMDAマスターファイル管理室の協力のもと全面改訂を行い、2016年3月に「原薬取扱いの手引き2015年版」を発刊した。
また、薬事関連導入教育用として、「原薬取扱いに関する教育資料」作成を行い、2014年6月にCD媒体として会員会社に配布した。
東日本大震災~津波及び原発事故による放射能汚染~
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による災害及びこれに伴う福島第一原子力発電所事故による災害は、大規模な地震災害であり、東日本各地での大きな揺れや、大津波、火災等により、東北地方を中心に12都道県で2万2000人余の死者・行方不明者が発生した。沿岸部の街を津波が破壊し尽くす様子や、福島第一原子力発電所におけるメルトダウン発生による放射能汚染は、地球規模で大きな衝撃を与えた。
東日本大震災により、東北・関東地方の多くの工場が影響を受け、原薬工会員会社においても、生産設備の損壊された事業所の他、計画停電、工業用水の供給等で操業を一時停止された事業所もあった。
海外からは輸出する製品に対し、放射能測定値の証明書を要求する国もあった。
政府の電力抑制の方針に対して、日薬連、製薬協の使用電力抑制取り組みを受け、原薬工としても協力を行うこととした。
コンピュータ化システム適正管理ガイドライン
1992年に発出されたが、2005年には廃止となった「コンピュータ使用医薬品等製造所適正ガイドライン」の改正に向け、2007年12月から厚労省、日薬連、製機研、原薬工によるCSV検討会にて検討が行われ、2010年10月に「コンピュータ化システム適正管理ガイドライン」及び質疑応答集(Q&A)が発出された。
原薬工では2011年8月にCSVに関するアンケート調査を実施した。
2012年12月には、日薬連主催「コンピュータ化システム適正管理ガイドライン」説明会が開催された。
日本のPIC/S加盟に向けた動き
2009年(平成21年)度の厚生労働科学研究班「GMP査察手法等の国際整合性確保に関する研究」には研究協力者として日薬連及び原薬工GMP委員会が参加して調査研究を行った。更に、GMP委員会では会員会社にアンケート調査(2006年から2011年の海外規制当局査察)を行い、平成23年度製薬協GMP事例研究会にて発表を行った。
日本は2012年3月9日にPIC/S加盟申請を行い、2014年5月のPIC/S総会を経て、7月1日に45番目の加盟当局(厚労省医薬食品局、PMDA及び各都道府県のGMP調査当局)となった。
ICHガイドライン、日本薬局方に関する取り組み
法規委員会では、原薬中の不純物(残留溶媒、遺伝毒性不純物、金属不純物)に関する動向につきICHガイドラインの記載を参考に検討、また、日本薬局方の第17改正へ向けた動向につき調査、検討を行い、ICH Q3C関連で、平成25年度~26年度の第17改正日本薬局方への適用に関するWGに法規委員会から参加した。
元素不純物WGに関する非公式の会合(第18改正日本薬局方への導入に向けた検討)に法規委員会から参加し、原薬工としての意見を提出した。
原薬の製造と開発のガイドライン(ICH Q11)に関する検討では、2011年から2013年はICH Q11 EWGに松村GMP特別委員が製薬協メンバーとして参加した。
また、Q&A案については、製薬協を通じてICH Q11 IWGへ意見を提出した。2016年には原薬工から出発物質の選定に関する意見について製薬協を通じて提出した。
2013年から2014年は原薬GMPのガイドライン(ICHQ7)のIWGに松村GMP特別委員が製薬協メンバーとして参加し、Q&A案については、原薬工として製薬協を通じて意見を提出した。
医薬品のライフサイクルマネジメント(ICH Q12)については、製薬協を通じてICH Q12 EWGへ意見を提出した。
後発医薬品の8割に向けて医薬品産業の競争力強化のための骨子方針
2014年10月開催の第13回研修懇談会において、義若博人氏(第一三共エスファ)の講演にて紹介された「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」では、2018年3月末までに60%以上にするとの目標が提示された。
2015年6月末に閣議決定された「骨太の方針2015」において、「後発医薬品に係る数量シェアの目標値については、2017年(平成29年)央に70%以上とするとともに、2018年度から2020年度末までの間のなるべく早い時期に80%以上」という新たな目標が設定され、後発医薬品の使用促進と併せて、将来にわたり継続的に製造販売されることが求められる基礎的な医薬品の安定供給、成長戦略に資する創薬に係るイノベーションの推進、医薬品産業の国際競争力強化に向けた必要な措置を検討することも盛り込まれた。
医薬品のGDP
欧州及びWHOでは既に医薬品の適正流通基準(GDP)が運用されているが、我が国には医薬品の適正流通に関する公的基準がないことから、日薬連での取り組みが開始され、2015年の3月に実施されたGDPガイドライン(案)に関するアンケート調査に原薬工としても協力した。
2016年、厚生労働科学研究班による検討が開始され、最終的に、2018年12月28日厚労省総務課・監麻課事務連絡「医薬品の適正流通(GDP)ガイドラインについて」が発出された。本ガイドラインでは原薬は対象とされていないが、原薬GMPのガイドラインでは、流通業者に関する規定があり、将来は原薬も適用範囲に含まれる可能性もあることから、2019年10月開催の第18回研修懇談会では、外部講師を招きGDPに関する講演を行った。
化血研事案 医薬品製造販売業者に対する一斉点検と無通告査察
2015年6月5日、一般財団法人化学及血清療法研究所(化血研)が製造する血漿分画製剤が、承認書と異なる製造方法により製造されていることが判明し、化血研は2016年1月18日から5月6日まで110日間の業務停止処分となった。
これを受け、平成28年1月15日薬生監麻発0115第4号「医薬品に係る立入検査等の徹底について(立入検査通知)」が発出された。
また、平成28年1月19日薬生審査発0119第1号「医薬品の製造販売承認書と製造実態の整合性に係る点検の実施について」が発出され、6月1日には「医薬品の製造販売承認書と実態に関する一斉点検の結果」として、医薬品製造販売業者(646社)の点検の結果、医薬品の品質、安全性に影響を与えるような、事前承認が必要な相違はなかったものの、事後届出(軽微変更届出)が必要な相違は479社22,297品目(全品目の69%)が見られ、今後、医薬品製造販売業者に対して法令遵守の徹底を求める通知の発出、無通告査察(抜き打ち査察)を行い、法令遵守の監視の強化を行うことが示された。
しかし、2016年、2017年のワクチン製造業者、原薬製造業者への業務改善命令、業務停止処分を受け、平成29年6月29日薬生監麻発0629第15号「医薬品に係る立入検査等の徹底について(一部改正)」が発出された。
CTD第3部モックアップ
平成28年3月11日薬生審査発0311第3号「医療用医薬品の承認申請の際に添付すべき資料の取り扱いについて」の通知内容を法規委員会にて検討し、「CTD第3部作成の手引き」を作成した。更に充実化を図るため、PMDAジェネリック等医薬品審査部との意見交換を経て、2020年3月に「後発医薬品の原薬に係るCTD第3部(モジュール3)記載例(モックアップ)」を作成した。
法規委員会では、当初、2020年9月に会員会社向けの説明会を予定していたが、新型コロナ感染症拡大の影響により中止となったことから、自動音声付き説明資料を作成し、2021年2月にホームページの会員専用ページに掲載した。
なお、「後発医薬品の原薬に係るCTD第3部(モジュール3)記載例(モックアップ)」は、広く活用頂くために、近々、原薬工ホームページに一般公開予定である。
原薬工ホームページの開設、リニューアル
原薬工では、会員会社及び各社製品のPRの一助とするために、1999年にホームページを開設した。その後、2000年9月には、三井物産ライフサイエンス事業部の協力を得て海外専用サイト「アウトソーシングドットコム」を立ち上げ、2001年10月には、知名度アップ、販売、チャンネルの開拓への活用を期待し、バーティカルネット株式会社の「医薬オンライン」との連携を行った。
2002年に総務経済委員会のホームページ改革プロジェクトによる検討により、2003年8月に一般向けホームページを公開し、翌2004年6月には会員専用ページを設置した。
2009年2月に総務経済委員会では、ホームページの見直しを開始し、2010年4月には改訂を行った。会員ページでは会員各社の概要紹介で最新情報を掲載するとともに、新たにリクルートページにて、地域毎に会員会社の募集状況が分かるようにした。
2017年には、会員ページに、法規委員会による薬事関連通知の掲載を開始した。
2018年には、総務経済委員会、GMP委員会、法規委員会からなる原薬工ホームページ改革プロジェクト会議にて、GMP・薬事関連コンテンツの見直しも行い、化学工業日報社、アンサング社の協力により、2019年4月にリニューアルオープンした。
また、これを機に、会員会社ごとのID・PWを設定するとともに、委員会だより及び委員会からのお知らせ等の入力については、夫々の委員会で分担することになった。
原薬工のパンフレット作成
総務経済委員会では、原薬工の広報活動の一環として、原薬工パンフレットの検討を開始し、2017年8月から業者との打合せを経て、和文と英文のパンフレットを作成した。
2018年4月17日開催のCPhIジャパン会場での配架を開始し、定期総会での紹介も行った。会員会社の変更に伴う改訂は事務局にて行い、入会案内等に活用している。
原薬工を15年間牽引されてきた白鳥会長の退任と富田新会長の就任
2003年から2018年の長年に亘り会長を務められた白鳥豊氏(白鳥製薬)が退任され2019年6月7日開催の令和元年度定期総会において、富田純弘氏(富田製薬)が新会長に選任された。
富田会長は就任に当たり、「国産原薬の強みであるメイドインジャパンの価値を訴求していく方向性を提示し、会員企業が国際展開を進めていく上で、日本の医薬品原薬の品質・価値を適正に評価いただき、国際的にも安心や信頼を認めてもらうための活動を行っていきたい。そのためには、原薬メーカーが製造及び品質の世界基準や法規制の遵守を深めることが世界市場へのアプローチにつながる。会員各社の取り組みを通じて、原薬工の社会的な信頼感を高め、“日本品質”の信頼性を世界市場に発信していきたい」と挨拶した。
薬機法改正:基準確認証、責任役員、GMP省令改正
2019年12月4日に医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律が公布された。なお、当該改正法については、令和2年4月1日、令和2年9月1日、令和3年8月1日、令和4年12月1日と段階的に施行される。
国際整合性の観点から、承認後は製造業者からの申請に基づき、製造所ごとに、当該製造所における製造工程の区分毎の調査を受けられることを選択でき、当該製造業者に対して、その製造工程の区分毎に基準確認証が交付される。本件に関して、2019年9月~2020年1月、日薬連品質タスクフォースに原薬工として参加した。
また、日薬連の法規制合理化検討プロジェクトのタスクフォース3(特定保管・FD項目)に法規委員会から参加した。
製造販売業者・製造業者における法令遵守体制の整備では、製造販売業者・製造業者の法令遵守に責任を有する者を明確にするため、薬事に関する業務に責任を有する役員(責任役員)が法律上位置づけられた。
令和3年1月29日課長通知「薬事に関する業務責任を有する役員の定義等について」、令和3年1月29日薬生発0129第5号「製造販売業者及び製造業者の法令遵守に関するガイドランについて」及び令和3年2月8日監麻課事務連絡「製造販売業者及び製造業者の法令遵守に関するガイドラン質疑応答集(Q&A)について」により、企業におけるガバナンスの向上と一層の法令遵守体制が求められることとなった。
医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(平成16年厚生労働省令第179号:GMP省令)の改正については、令和2年11月27日~12月26日に意見募集が行われ、令和3年4月上旬の公布後、令和3年8月1日施行となっている。
新型コロナ感染症による業界活動への影響
2019年年末に中国湖北省武漢で発生した新型コロナウイルスに2020年1月に日本国内で初の感染者が確認された。2020年2月1日にクルーズ船ダイヤモンドプリンセス号で10人の感染が確認され、国内の感染者数も増大し、政府は3月13日に成立した新型コロナウイルス感染症対策の特別措置法に基づく措置として4月7日に東京をはじめとする7都府県に緊急事態宣言を行い、対象は全国に拡大された。また、2021年1月8日には2度目となる緊急事態宣言が発出された。
新型コロナウイルス感染症の治療薬の供給については、中間体製造を含む国内生産に向けて、原薬工会員会社を含む企業が連携して取り組むことになった。
また、多くの業種の売上が急落したことから、政府は雇用対策助成金の給付を行ったが、「セーフティネット5号」業種指定については、医薬品原薬製造業は対象外であることから、原薬工としても日薬連を通じて厚労省医政局経済課に対して指定要望を行った。当初指定は見送りとされたが、最終的には、5月に全ての化学製造業種が指定となった。
緊急事態宣言下で、GMP委員会は、3月に開催を予定していた原薬工GMP実務担当者研修会を中止した。
2020年の令和2年度定期総会は新型コロナウイルス感染症の影響で、一時は延期を考慮し、また、規模も縮小して開催検討を進めてきたものの、最終的には書面議決となった。
理事会については前年度の総会で会則を見直していたために書面での議決が実施された。
各委員会の毎月の定例会議は、新型コロナウイルス感染症拡大により、2020年3月から5月にかけては中止となったが、各社の
WEB環境が整い、総務経済委員会及び法規委員会は6月から、GMP委員会は8月からWEBによる会議を実施している。
総務経済委員会では、例年、熱海の会場で開催している研修懇談会も新型コロナウイルス感染症拡大の影響で宿泊研修は断念することになったことから、初めての試みとして、2020年12月15日に化学工業日報社の協力による原薬工オンラインセミナーを開催した。
医薬品の安定確保
抗菌薬等の比較的安価な医療用医薬品については、採算性等の関係で、中国等の数社に医薬品原料物質や原薬の製造が集中し、安定供給上の構造的なリスクが存在している。抗菌薬「セファゾリン」について、中国等での製造上のトラブルに起因して長期にわたり安定的な供給が滞り、医療の円滑な提供に深刻な影響を及ぼす事案が発生した。
その他の製品についても、関係学会等から、安定的な医薬品の供給を求める要請が寄せられている。
2020年6月30日厚労省医政局は、海外依存度の高い原薬又はその原材料の国内製造、国内供給業者を支援し、日本国内における抗菌薬等の医薬品の安定供給体制を整備することを目的として令和2年度「医薬品安定供給支援補助金」に係る実施事業者公募を行った。
また、医薬品製造や流通のステークホルダーや有識者を集めた関係者会議を開催し、医薬品の安定確保策について議論する関係者会議(安定確保会議)が設置され、9月には、取りまとめが公表され、汎用され安定確保が求められる医薬品として専門領域ごとに58学会から、551品目が提案された。令和2年度末を目途に個別の品目の選定を行うためにワーキンググループでの検討が進められ、安定確保医薬品の選定及びカテゴリ設定(案)について2021年(令和3年)2月26日に意見募集が開始された。これらの品目については、原薬工会員会社にとっても原薬供給の立場から重要になってくると思われる。
法令違反と業界への影響
2011年に行われた承認書と製造実態の整合性に係る点検にもかかわらず、承認書と製造実態との不整合の事案で、2019年8月、12月に漢方・生薬製剤業者、原薬製造業者に対する業務停止命令及び業務改善命令が出された。2020年12月には、小林化工株式会社が製造販売する抗真菌剤「イトコナゾール錠」の服用後に副作用情報が複数報告され、調査の結果、睡眠誘導剤の混入が発覚した。
本事案は、医薬品の品質や安全性に対する国民の信頼を失墜させるものであり、類似事案の再発を防止するために、令和3年2月9日薬生監麻発0202第1号「医薬品の製造業者におけるGMP省令違反等を踏まえた無通告立入検査の徹底強化等について」が発出された。
また、2020年4月より多品目の自主回収を繰り返し行っていた日医工株式会社に関する立入調査が行われた結果、承認書と異なる方法で製造販売、不適切な手順に基づく品質試験の実施の法令違反が見られ、業務停止命令が出された。
これらの事案に関連して、3月24日に開催されたGMP実務担当者研修会(ウェビナー)において、クオリティカルチャー、医薬品品質システムに関する発表の中でも注意を喚起した。
45周年を迎えて
GMP委員会15年の歩み
2021.3
GMP委員会はGMPを遵守すると共に、GMPを効率的且つ合理的に実施していくための方策を確立することを主眼に置き、併せてGMP実施に伴う品質保証体制の在り方について究明をするため活動を継続してきた。
45周年を迎え、2005年度(平成17年度)から2020年度(令和2年度)の委員会活動の概要を纏めた。
1.GMP実務担当者研修会の実施
2.行政当局への意見・要望及び施策の提案
3.他の業界団体との交流
4.原薬工他委員会との連携
1. GMP実務担当者研修会の実施
GMP実務担当者研修会は、1990年度以来、原則として毎年開催しており、2011年度の東日本大震災、2019年度は新型コロナウイルスの影響で中止を余儀なくされたが、2020年度で第29回の開催を迎えた。例年、時代の要請に合った原薬GMPに関するテーマを選定し、1年間かけて実務担当者自身の抱える問題を解決することを主眼に置いて検討を進め、その検討成果を毎年3月もしくは4月に原薬工会員に対して発表している。
以下に近年のGMPの変遷に沿った発表事例の一部紹介するが、これら以外についても、関連する通知やガイドラインをタイムリーに取り上げ、単にその内容を解説するだけでなく、GMP実務担当者が実務を行う際の問題点、課題等を念頭に置きながら検討を進めている。例年、概ね80社以上の会員各社から200名前後の関係者にご参加いただき、本研修会を開催している。
薬事法改正(2005年)
2005年、改正薬事法が施行され、医薬品の製造承認制度から販売承認制度へと転換し、マスターファイル制度も本改正により導入された。現在の製造販売業者と製造業者のGQP体制が構築された法改正であり、GMPにも大きく影響する内容のため、2005年度の本研修会において改正薬事法を総括的に紹介すると共に、GMP体制への影響と見直しのポイントについて解説した。
本改正に関連するテーマは2005年度以降も検討を継続し、製造販業者との連携を考慮した変更管理や改正後のGMP適合性調査に関するテーマを2008年度に発表すると共に、2009年度には、法規委員会より簡易登録MFの記載整備作業についてご講演をいただくなど、他の委員会と連携を図りながら、本改正の要求に対する具体的な運用や対応方法を会員各社に提供した。
GMP施行通知改正(2013年)
2012年3月、日本がPIC/Sに加盟申請したことに伴い、グローバルな観点、品質保証の充実の観点から、①リスクマネジメントの概念、②製品品質の照査、③原材料メーカーの管理、④製品、原薬の安定性モニタリングの実施、⑤参考品、⑥バリデーション基準の全面改訂、の6項目がGMP施行通知に盛り込まれ、2013年にGMP施行通知が改正、同年さらにGMP事例集(2013年版)が発出された。
GMP委員会では本改正に先立ち、2010年に原材料供給業者の評価方法やバリデーション基準を題材としたテーマを取り上げ、2011年は東日本大震災の影響で研修会の中止を余儀なくされたが、その後も本改正に関連するテーマとして、製品品質の照査やバリデーション基準について検討し、2012~2013年度の研修会で発表した。
GMPデータインテグリティの定義とガイダンス(2015年)
医薬品のグローバル化に伴って新興国での承認申請が増加すると、対象国に対する規制当局の査察では不都合なデータの改ざん、捏造や削除等、いわゆるデータインテグリティに関する問題事例が増加した。このような背景から2015年3月、MHRA(英国医薬品庁)は「GMPデータインテグリティの定義とガイダンス」を発出、その後、WHOやFDAからも相次いでガイダンスやQ&Aが発出されるに至った。
このような背景から、海外の規制当局の査察では、日本の原薬製造業者に対してもデータの取扱いについて重点的に確認するようになってきている実態を踏まえ、2016年には本件に関するテーマを選定し、データインテグリティの基本的な考え方を解説すると共に、原薬製造業における具体的な事例や対策について発表した。その後も2018年には試験室のデータインテグリティについて検討し、実務に役立つ具体的な対応について提案した。
また、データインテグリティに関する考え方は、様々なGMP活動に直結することから、2017年の品質管理や2019年の文書管理のテーマにおいても、データインテグリティ対策の視点からテーマを検討して、各実務担当者研修会でその成果を発表した。
GMP省令改正(2021年改正予定)
2015年の化血研問題に端を発した医薬品の承認事項と製造実態の齟齬や製造所における改ざんや捏造が社会問題となり、2019年の改正薬機法では、法令遵守の体制構築の義務づけ、薬事に関する責任役員の明確化などが盛り込まれた。
さらに、2021年に改正予定のGMP省令においても医薬品品質システムの構築が盛り込まれる予定である。
これを踏まえ、GMP委員会では、2018年にGMP省令の改正の動向を解説すると共に、2019年から医薬品品質システムやクオリティカルチャーについて検討を重ね、2020年度の実務担当者研修会でこれらの検討成果を、GMP省令の改正に先立ち発表した。
2.行政当局への意見・要望及び施策の提案
薬機法、GMP省令、GMP施行通知、並びにGMP事例集の改正に関する日本製薬団体連合会(日薬連)や厚生労働科学研究班から意見募集に協力し、これらの業界団体でまとめた意見の多くは、行政当局への提案となっている。尚、GMP省令およびGMP事例集については、現在も検討を進めており2021年度に発出の予定である。
2014年度:日薬連のGDP(Good Distribution Practice)ガイドライン(案)に関するアンケート調査協力(日薬連)
2016年度:厚生労働科学研究班「GMP省令改正(案)」に対する意見提出
2018年度:日薬連での「GMP省令改正の条文の確認」に関し、参考品の保管に関する製造所の実態の確認と提言
2019年度:日薬連での「薬機法改正に伴う基準確認証の運用確認」に関し、原薬製造所からの提出資料に関する意見提出
2020年度:日薬連での「GMP省令第9条構造設備に係る事例集(案)」に関し、原薬製造所の構造設備の共有の報告及び洗浄バリデーションにおける許容限度値に関する意見提出
3.他の業界団体との交流
日本製薬工業協会との連携
日本製薬工業協会(製薬協)からの依頼により、ICHにおける各IWGで検討していた以下のガイドライン(案)に対する意見募集に協力した。
2014~2015年度:原薬GMPのガイドライン(ICH-Q7)Q&A
ICH Q7-IWG作成Q&A(案)のロット混合に関する意見の反映
2015~2016年度:
原薬の開発と製造のガイドライン(ICH-Q11)
ICH Q11-IWG作成Q&A(案)の出発物質に関する化学変換工程の追加及び発物質の分析方法の設定について意見の反映
2016年度:
医薬品のライフサイクルマネジメント(ICH-Q12)
ICH-EWGでのQ12ガイドライン原案に対する意見募集に対し、適用範囲として販売承認を必要とする医薬品とすることの意見反映
2017年度:
原薬GMP(ICH-Q7)トレーニングコースプログラム
製薬協からの依頼を受け、製品品質照査、装置の保守・清掃、保存品の保管等運用上の問題に関する意見提出
製剤機械研究会(製機研)との交流
2003年から2008年にかけて製剤機械研究会と共に原薬設備の適格性評価について定期的に検討会を開催し、原薬設備の適格性評価の在り方に関して共同研究を行ない、2008年10月には、第6回製剤機械技術ワークショップを製剤機械研究会と原薬工GMP委員会で共催した。
厚生労働科学研究班及び日本医療研究開発機構(AMED)研究班への参加
厚生労働科学研究班には、2010年度から2011年度にかけて「GMP査察手法等の国際整合性確保に関する研究」に参加している。また、「医薬品の製造開発から市販後に及ぶ品質確保と改善に関する研究」にも、GMP委員会から活動に協力した。
2012年度からは「原薬のライフサイクルにわたる品質保証に関する研究」に参加し、高リスク不純物(遺伝毒性不純物、元素不純物)の管理や、原薬におけるプロセスバリデーションのライフサイクルに関する検討を行った。2015年に本研究はAMEDの研究開発課題に活動が引き継がれ、2017年までの「医薬品の新規開発と製造変更における品質管理手法に関する研究」にGMP委員会から参加した。
2018年度からはAMEDの「医薬品の品質管理・製造法管理及び変更管理の新たな手法の評価法に関する研究」の中で「医薬品のライフサイクルマネジメントの合理化に関する研究」の化学薬品分科会にGMP委員会から参加している。
他団体の依頼に基づく講演活動
日薬連、製薬協、製機研、並びに日本薬剤師会からの依頼により以下の講演活動を行った。
2007年度:第27回GQP・GMP研究会(日薬連主催)
「原薬製造業者から見た新薬事法の問題点と今後の課題~製造販売業者及び行政との連携を円滑にするための提案~」
(竹村委員)
2008年度:CPhI JAPAN2008特別講演(2008年4月10日)
「薬事法改正後の製造販売業者と製造販売業者の連携の在り方について」(常松副委員長)
第6回製剤機械技術ワークショップ
「原薬の製造と品質について~品質保証のトレンドとパラメータの考え方について~」(鶴来委員)
2012年度:日本薬剤師会主催「医薬品製造委受託における品質管理とリスクマネジメント-4役連携の現状と課題-」
(2013年3月1日)
「原薬受託企業としての委受託製造の留意点と提案について」(常松委員長)
CPhI JAPAN2012特別講演(2013年3月22日)
「原薬製造における品質の管理と日本を取り巻く海外の動向について」(常松委員長)
2014年度:第17回品質フォーラム(2015年2月19日)
「企業におけるGMP査察のグローバル化に伴うインパクト-原薬製造業者の立場から-」(田澤副委員長)
4.原薬工内での講演活動
原薬工総務経済委員会が主催する原薬工研修懇談会において、GMP等に関連するテーマを中心に講演活動を行った。
2007年度:第6回原薬工研修懇談会「新薬事法対応の現状と問題点及び課題について」(竹村哲二委員)
2008年度:第7回原薬工研修懇談会「原薬製造業者における品質保証システムの構築について」(井伊副委員長)
2009年度:第8回原薬工研修懇談会「中国・インドの製薬産業の動向と製薬産業のグローバル化に伴う日本の原薬製造業者に求められるもの」(井伊副委員長)
2010年度:第9回原薬工研修懇談会「厚生科学研究におけるGMP査察手法等の国際整合性に関する研究報告」
(常松委員長)
2012年度:第11回原薬工研修懇談会「最近の日本における国内/海外の行政指導から見た原薬製造に係わる、留意すべきポイントについて」(常松委員長)
「中国/インドを主とした海外製造所の動向とその後の変化について」(常松委員長)
2013年度:第12回原薬工研修懇談会「原薬受託企業としての委受託製造の留意点と提案について」(田澤副委員長)
「医薬品品質システムについて(GMP/ISO/ICHQ10の融合)~ICHQ10における経営者の責任~」(常松委員長)
2016年度:第16回原薬工研修懇談会「医薬品品質システムについて~GMP省令改正に備えて~」(田澤委員長)
GMP委員会は、この15年間、原則として月1回の定例会を開催しており、上述の活動以外に、GMP委員同士が、製造所におけるGMPに関する実務的な課題や監査査察や関する情報を交換し、関連する通知やガイドラインを参照しながら、これらの課題や監査査察における指摘についても検討してきた。
今後もこのような活動を通じてGMP委員が相互に研鑽を深め、GMPを効率的且つ合理的に実施していくための具体的な方策を、GMP実務担当者研修会等で会員各社に提供すべく、活動を継続していく。
GMP実務担当者研修会
実施内容一覧(参考)
開催場所
(参加企業数)
東京ビックサイト
2 GMP教育訓練テキストの改定
3. 改正薬事法下における原薬のGMP
改正薬事法下のGMP管理,
GMP組織の見直し
逸脱の管理について
マスターファイル制度とその変更の管理
東京ビックサイト
試験室における逸脱の管理
試験検査業務等に関わる衛生管理基準について
分析装置の適格性評価
2. 自己点検の見直しとその考え方について
3. 原薬の製造指図・記録書モデルの作成と留意点
4. GMP教育訓練テキストの改定&A、製造支援システムのバリデーション
東京ビックサイト
(84社)
2. 教育訓練テキスト改訂版について - 改訂出版書籍のご案内 -
3. 品質リスクマネジメントに関するガイドラインと医薬品の製造管理と品質管理について
4. 原薬製造施設の査察方法の見直しと原薬製造業者の新たな対応について
‘FDA’s revised Compliance Program for API Inspections’
東京ビックサイト
(79社)
~適合性調査における指摘事例の社内自己点検・GMP整備への活用~
2. 「変更の管理」実施時のレベル分け手法の提案
3. 製造販売業者との取決めに係る留意点
4. スライドで見るGMP管理 -手順のフローを中心に
東京ビックサイト
(58社)
2. 原薬の試験記録書モデルの作成と留意点
3. CAPAシステムの活用 -より高度な品質システムの構築へむけて -
4. 簡易登録MFの記載整備作業について
変更登録申請書作成実務のコツ ~申請ソフト入力作業を中心とした作業実務と留意点~
東京ビックサイト
(78社)
(GMPにおける多岐にわたる管理の効率化のための見直し)
2. 「変更の管理」の運用における変動要因分析ツールの活用
3. 洗浄バリデーションの実際 -起こりうる問題点への取組み方法-4
4. 原材料の品質管理について -適切な原材料製造業者の評価方法の検討-
5. 特別講演 原薬を取り巻くGMPのあゆみ
6. 教育訓練事例
TFT
(79社)
2. 日局における製薬用水の品質管理 ~日局改正ポイントを中心として~
3. 手順書類の見直しと、MF記載内容の整合性 確認のためのチェックシート作成のすすめ
~適切なMF登録と製品標準書等手順書類見直しのための提案~
4. GMP調査の事前資料として求められるSite Master Fileの作成と活用
~EUガイドラインを中心として~
東京ビックサイト
(72社)
2. GMP施行通知改訂に備えた製品品質の照査
-PIC/SのGMPガイドラインを活用する際の品質照査の実施方法について-
3. 解析手法を用いたGMP管理
―ICH Q9品質リスクマネジメントを実践する具体的方法の提案―
4. 当局による医薬品GMP適合性調査の事前資料モデルの提案
-PIC/S加盟を見据えたGMP調査要領改正への対応-
TOC有明
(72社)
~参考品・安定性・洗浄バリデーション・製品品質の照査~
2. マルチ製造プラントにおける交叉汚染防止対策
~封じ込め技術によるリスクコントロール~
3. 改正GMP施行通知を踏まえた原料等の供給者管理 ~具体的な管理手法の提案と事例研究~
4. 改正バリデーション基準に対応したバリデーションの進め方
東京ビックサイト
(73社)
~カテゴリ3の効率的開発、検証~
2. 製造設備の適切な洗浄について ~洗浄プロセス設計とバリデーション~
3. GMPの原点に返ってCAPAシステムについて考える
4. 国内外規制当局によるGMP査察の動向について
東京ビックサイト
(74社)
2. 製品品質の照査 ~効率的で効果的な実施方法~
3. データインテグリティ(データ完全性)の確保~記録の信頼性を担保するために~
4. 医薬品製造に関わる最近のトピックス~概要と今後の動向について~
東京ビックサイト
(81社)
2. 原薬の品質管理 ~時代の要求に応える具体的対策の提案~
3. FDA査察について ~対応のポイントと最近の査察事例~
4. MF 変更登録申請書作成実務のコツ
~FD 申請ソフト入力作業を中心とした作業実務と留意点~
東京ビックサイト
(78社)
2. 原材料管理 ~押さえておくべきポイントとトラブル対処法~
3. 効果的な教育訓練のために ~従業員の力量確保と教育訓練システムの改善~
4. 医薬品製造に関わる最近のトピックス
~GMP省令改正動向、無通告査察、ICHQ11 Q&A~
東京ビックサイト
(85社)
2. 供給業者監査のポイント ~監査の手法と監査員認定~
3. 実践的CAPA手法 ~正しい改善策に導くためのノウハウ~
4. 原薬開発段階における品質課題への取り組み
Zoomウェビナー
(85社)
2. 試験のやり直しにご注意! ~QCラボにおける適切な再試験の運用~
3. 医薬品品質システム ~効果的なマネジメントレビューの実践~
4. Quality Culture ~品質文化の心・技・体とは~
45周年を迎えて
法規委員会15年の歩み
2021.3
平成17年(2005年)から現在までの15年間は、平成17年4月1日の改正薬事法の完全施行に始まり、原薬においても薬事法規対応が大きく変化した時期であった。
当該改正法の施行に前後して各種法規が整備されると共に、医薬品の承認許可制度が改正されて、新たに原薬等登録原簿(マスターファイル、以下「MF」という。)制度が導入された。
平成26年(2014年)には薬事法が大改正され、医薬品医薬機器等法(薬機法)として11月25日施行され、相前後して、PMDAにジェネリック医薬品等審査部が新設された。
また、ICHガイドラインによる国際標準化への対応として、いくつかのガイドラインの考え方が法規や日本薬局方に取り込まれると共に、後発医薬品の承認申請の際に添付する資料についても、平成29年(2017年)3月1日以降は原則、CTDに関するガイドラインに沿って作成することとなった。
法規委員会では、かかる薬事法規対応の変化にタイムリーに対応すべく、調査研究を行い、併せて会員各社のコンプライアンスの向上を目指し、法規制に関する幅広い活動を行ってきた。
これらの活動成果については、これまで、原薬工研修・懇談会での発表、各年度の法規委員会研修報告書、原薬工ホームページ(HP)、「原薬取扱いの手引き」の改訂版、臨時発刊資料等を通じて、情報提供してきた。
実施してきた主な活動項目 ・原薬に係わる薬事関係法規に関する調査・研究
・MFの登録及び維持(変更・照会対応)に関する調査・研究 ・原薬取扱いに関する問題点の検討と対応
・原薬に係わる情報の収集及び調査・研究(GMP、GQP、薬事関係法規以外に原薬の取扱いで必要となる法規)
・ICHガイドライン、日本薬局方に関する調査・研究
・PMDAジェネリック医薬品等審査部との一般情報交換
・PMDA審査マネジメント部マスターファイル管理室との一般情報交換
・他団体等との意見交流、ワーキンググループ等への参加
これらのうち、当該15年間に取り組んできた主な活動につき、以下に概要を記載する。
1. 原薬に係わる薬事関係法規に関する調査・研究
1) 改正薬事法に係る調査・研究
・改正薬事法に係る承認申請等に関する当局への質問を、東薬工・大薬協と共同で当局へ質問し(MF関連の質問は直接PMDAのMF管理室に提出)、回答を得て平成18年度研修報告に掲載した。本検討内容は、第5回原薬工研修・懇談会でも発表した(平成18年10月20日)。
・MF制度導入により、MF記載内容の変更時に一変対象事項か軽微変更対象事項かの判断が必要となったことより、平成18年1月に会員各社にアンケートを行い、引き続きQ&Aを作成し、原薬工HPに掲載した。更に、平成16年度に作成した変更管理一覧表を全面改訂し、平成18年度研修報告に掲載した。本件については平成22年より検討を再開し、平成23年度薬事エキスパート研修会(平成23年9月29日)にて講演すると共に、平成23年度研修報告に掲載した。
・薬事法施行規則の一部を改正する省令(案)の「(2) 輸出用医薬品等に関する届出関連」について当局へ意見書を提出し、省令(平成19年3月30日公布)に反映して頂いた。
2) 関係法規に係る調査・研究
・「医薬品原薬の輸入手続きと外国製造業者認定」に係る手順、及び、「医薬品製造所変更・追加に係る迅速審査」に関する運用手順について検討し、原薬工HPに掲載するとともに、平成19年度研修報告に掲載した。
・「GMP適合性調査申請の取扱いについて」の解釈面での疑義事項を当局に問い合わせ、平成19年度研修報告で報告した。
・原薬製造コストの削減に係わる規制とその対策及び留意点につき検討し、第7回原薬工研修・懇談会(平成20年10月24日)で発表すると共に、平成20年度研修報告で報告した。
・「原薬供給業者からみた原薬の品質保証の問題点」として、転用原薬の製造所の変更及びMF開示パートの記載内容に関する通知を検討し、第8回医薬品品質フォーラムシンポジウムで発表した(平成21年1月26日)。
・「原薬に係る定期GMP適合性調査通知書の確保」、「MF登録者の資格要件」、「原薬製造業者のライフサイクル対策」について検討を行い、第8回原薬工研修・懇談会(平成21年10月23日)で発表すると共に、平成21年度研修報告で報告した。
・GMP省令改正案への意見を纏め、日薬連品質委員会を通じて提出した。(平成28年度に計3回)
・PIC/S PI 041-1(草案2)(規制下のGMP/GDP環境におけるデータ管理と完全性の正しい実施要領)への意見を提出した。(平成28年度)
2. MFの登録等に関する調査・研究
1) MF制度導入にあたっての調査・研究
・事前登録を行ったMFのフレキシブルディスク(FD)申請についての手順書を作成し、平成18年1月23日に原薬工HPに掲載した。
・PMDA審査管理部に協力要請し、薬業健保会館にて「MFに関する説明会」を開催した(平成18年1月31日)。本説明会では事前に会員各社より質問を募集し、一部は法規委員会で回答案を作成、それ以外はPMDAに提示して、当日、PMDAのMF管理室よりQ&A形式で回答頂いた。当日の発表資料を原薬工HPに掲載すると共に、Q&Aを平成17年度研修報告に掲載して、会員各社と共有した。
・MFへの原薬の製造方法の記載例を、通知を参考に作成し、平成17年度研修報告に掲載。生薬エキス原薬の記載例についても検討し、平成18年度研修報告に掲載した。前者については、簡易登録したMFを記載整備(平成22年3月31日までに変更登録申請)するにあたっての手引書を作成し、平成18年度研修報告に掲載した。翌年には、法規委員会委員所属会社へのMF照会事例調査結果に基づいて改訂を行い、平成19年度研修報告に掲載した。更に、その後の通知等の内容を反映して、第19回原薬工GMP実務担当者研修会(平成21年4月21日)で発表した。
2) MFの登録、変更登録に関する情報提供のための調査・研究
・後発医薬品の承認申請に伴う化学薬品原薬について、始めてMF登録申請を行うにあたり準備すべき資料や、MF審査における最近の照会事項への対応についての事例紹介を纏め、第13回研修・懇談会(平成26年10月24日)で講演するとともに平成26年度法規委員会研修報告に掲載した。
・マスターファイル管理室の協力のもと「MF変更登録申請書作成実務のコツ ~申請ソフト入力作業を中心とした作業実務と留意点~」を纏め、第26回原薬工GMP実務担当者研修会(平成29年4月20日)で発表するとともに、平成29年6月に冊子として会員会社に配布した。
3) 後発医薬品原薬におけるCTD第3部作成のための情報提供に係る調査・研究
・会員会社が、平成28年3月に発出された通知「医療用医薬品の承認申請の際に添付すべき資料の取り扱いについて」に記載の「平成29年3月1日以降の後発医薬品の承認申請の際に添付する資料は、原則、CTDに関するガイドラインに従って作成すること」に対応できるよう、CTD第3部の各項目にどのようなことを記載するのかを解説して情報提供することとした。検討結果を纏め、「CTD第3部作成の手引き」として平成28年度法規委員会研修報告に掲載した。
・「CTD第3部作成の手引き」の充実化検討を平成29年10月より開始。PMDAジェネリック等医薬品審査部を訪問し、協力を要請するとともに進め方を相談。以降、PMDA と5回の意見交換会を経て、令和2年1月に完成。令和2年3月末に冊子「後発医薬品の原薬に係る CTD第3部(モジュール3)記載例(モックアップ)」として、会員会社に配布した。
・「後発医薬品の原薬に係る CTD第3部(モジュール3)記載例(モックアップ)」の会員会社向け説明会を令和2年9月に東京で開催すべく資料を作成したものの、コロナ禍により中止となった。発表会の代替として、発表用パワーポイント資料に発表用原稿を自動音声化して組み込んだ音声付き説明資料を作成し、令和2年度中に原薬工HPの会員専用ページに掲載予定である。
・「後発医薬品の原薬に係る CTD第3部(モジュール3)記載例(モックアップ)」を、令和2年度中には原薬工HPに掲載して一般公開する予定である。
3. ICHガイドライン、日本薬局方に関する調査・研究
・原薬中の不純物(残留溶媒、遺伝毒性不純物、金属不純物)に関する動向につきICHガイドラインの記載を参考に検討、また、日本薬局方の第17改正へ向けた動向につき調査し、第10回原薬工研修・懇談会(平成23年10月22日)で発表すると共に、平成23年度研修報告に掲載した。
・「新医薬品の総審査期間短縮に向けた申請に係るCTDのフォーマットについて」(平成23年1月17日付け事務連絡)及び、ICH Q11ドラフトを念頭において、承認申請書上の製造方法欄における目標値/設定値に関する一覧表記載例につき検討し、平成23年度研修報告で報告した。更に、ICH Q9のリスクマネジメントを念頭に、承認申請書上の製造方法欄の合理的な記載方法について検討し、第11回原薬工研修・懇談会(平成24年10月)で発表すると共に、平成24年度研修報告に掲載した。
・原薬の製造と開発のガイドライン(ICH Q11)への対応に関する検討を行い、平成24年度は「入門編(概略紹介、難解部分の解説)」を作成して、平成24年度研修報告に掲載した。平成25年度は「法規委員会版ICH Q11の要約」を作成して、平成25年度研修報告に掲載した。
・第17改正日本薬局方へのICH Q3C適用に関するWGに、委員が参加。(平成25年度~26年度)
・ICH Q7(原薬GMPのガイドライン)のQ&A案につき検討し、製薬協を通じて意見を提出した。(平成26年度~27年度)
・ICH Q11(原薬の開発と製造)のQ&A案につき検討し、製薬協を通じてICH Q11 IWGへ意見を提出した。(平成27年度~28年度)
・ICH Q12(医薬品のライフサイクルマネジメント)につき検討し、製薬協を通じてICH Q12 EWGへ意見を提出した。
・元素不純物WGに関する非公式の会合(第18改正日本薬局方への導入に向けた検討)へ、委員が参加。(平成30年度より、継続中)
4. 「原薬取扱いの手引き」の改訂
・平成10年より3カ年計画で検討を行い、平成13年度研修報告として発刊した冊子「原薬取扱いの手引き」を、平成17年に施行された改正薬事法に準拠させるために、全面改訂を行った。改訂経過を平成19年度、20年度、21年度の研修報告書に掲載。平成22年12月に冊子「原薬取扱いの手引き 2010年版」として発刊し、会員会社に配布した。また本内容につき、第9回原薬工研修・懇談会(平成22年10月22日)で発表すると共に、平成22年度研修報告に掲載した。
・「原薬取扱いの手引き 2010年版」の発刊以降に発出された通知のうち、本手引きの内容に影響するものにつき検討を行い、内容を纏めて、平成24年6月に「原薬取扱いの手引き 2011年追補版」として発刊し、会員会社に配布した。
・上記追補版の発刊以降も、継続して追補情報の検討を行い、平成24年度、25年度、26年度の研修報告書に掲載。これらの情報を織り込み、マスターファイル管理室の協力のもと「原薬取扱いの手引き 2010年版」の全面改訂を行い、平成28年3月に冊子「原薬取扱いの手引き 2015年版」として発刊し、会員会社に配布した。また本改訂を検討する中、この5年間の法規に関する変更点の中から特に重要な事項を取り上げ、第14回原薬工研修・懇談会(平成27年10月3日)で発表すると共に、平成27年度研修報告に掲載した。
5. その他特記事項
・薬事関連導入教育に焦点を合わせた資料として、「原薬取扱いに関する教育資料」を作成し、平成24年度の研修報告書に掲載した。更に検討を加え、平成26年6月にCD媒体による電子ファイル(Microsoft PowerPoint)で会員会社に配布した。
・後発医薬品原薬製造プロセス開発実施上で留意すべき点について、薬事規制の動向と対応の方向性をふまえて整理を行い、第12回原薬工研修・懇談会(平成25年10月11日)にて講演すると共に、平成25年度法規委員会研修報告に掲載した。
・東薬工及び大薬協からの依頼を受けて、原薬製造業者からの現状の日局の課題及び今後の日局へ期待する点について検討を行い、平成25年11月の東薬工及び大薬協主催の研修講演会にて報告すると共に、平成25年度法規委員会研修報告に掲載した。
・AMED研究班に関する研究協力活動〔「医薬品の品質管理・製造法管理及び変更管理の新たな手法の評価法に関する研究」医薬品ライフサイクルマネジメントの合理化に関する研究班(原薬班)〕に、委員が参加。(平成25年度より、継続中)
・原薬工HPの会員専用ページに原薬関連通知の専用サイトを作成し、平成29年6月より定例委員会で検討した通知の掲載を開始した。
・日薬連の法規制合理化検討プロジェクトTF3の会合(特定保管倉庫の検討、FD入力項目の見直し検討)へ、委員が参加。(令和元年度~2年度)
・PMDAジェネリック医薬品等審査部より、後発医薬品向けの相談制度、特に新たに設定されたCCG相談につき、説明を受け意見交換した。(令和元年4月の委員会にて)
・PMDAジェネリック医薬品等審査部より、「ジェネリック医薬品の使用促進に貢献するための最近の品質審査(原薬)」と題する講演をして頂いた。(令和2年2月の委員会にて)
・PMDAジェネリック医薬品等審査部より、後発医薬品原薬向けの新たな相談制度の開設方針につき、説明を受け意見交換した。(令和2年10月の委員会にて)
コロナ禍の蔓延により、令和2年3月度から5月度にかけては定例委員会を中止せざるを得ない状況となったが、各社のWEB環境が整い、6月度からは定例委員会をWEB会議で実施することができるようになった。今後も、状況に応じ、会場での開催とWEB会議を併用して、定例委員会及びグループ討論を継続していく。
令和元年(2019年)12月4日に薬機法の一部改正が公布され、令和3年8月21日より原薬関連の下記3件の改正内容が施行される。
• 保管のみを行う医薬品等の製造業者の登録制度
• 国際整合化に向けたGMP/GCTP調査の見直し
• 製造販売業者・製造業者における法令遵守体制の整備
今後はこれらの改正点について調査・研究を進めると共に、2015年度以降の通知のうち、「原薬取扱いの手引き」の内容に影響するものにつき検討を行い、「原薬取扱いの手引き」を全面改訂する予定である。
45周年を迎えて
総務経済委員会15年の歩み
2021.3
日本で唯一の原薬製造業者の団体である日本医薬品原薬工業会が発足したのが1975年、総務経済委員会は、従来までそれぞれの役割を持って独立して活動していた総務委員会・経済委員会が、1998年に統合することにより現在の総務経済委員会として再出発しました。
総務経済委員会はその発足以降、原薬工業会の運営全般や会員企業への情報提供など、会員企業の皆様方が、変動する医薬品業界において柔軟に対応出来るような委員会活動を継続してきました。
2005年4月、医薬品業界における大改正であった改正薬事法が施行されてから現在まで、総務経済委員会は当工業会の運営の在り方を考え、また、医療や社会環境の変化、内外の諸問題の動向について調査・研究し当工業会の方向性を示すと共に、会員各社の立場を考慮した上で如何に医薬品産業に貢献するかを考え活動してきました。
総務経済委員会では下記の事業を中心として委員会活動に取り組んでおります。
・ 原薬及び原薬製造業者の存在感を高める活動
・ 総会・理事会の運営
・ 各委員会活動の円滑化と活性化のための企画・立案
・ 他委員会に帰属しない課題の検討
・ 会員企業に共通する諸問題の検討
・ 原薬工各種催事の企画・運営
これら事業に対する具体的な委員会活動といたしまして、原薬工業会の運営管理、秋の研修懇談会の開催、HPの運営管理、原薬及び原薬製造業者の周知活動などに特に重点的に取り組み活動してきました。
<原薬工業会の運営管理について>
工業会の運営管理としては、毎年行われる総会及び理事会の開催及び運営、また、より効率的かつ実態に合わせた運営を目的として、理事の選任方法を含めた各種会則の見直しを継続的に行ってきました。その過程の中で、理事会の運営をより一層盤石なものとするために、それまで2名であった副会長を6名に増員し、会長を中心とした理事会体制の見直しなども行いました。
また、2011年に発生した東日本大震災という大災害が発生したことにより、計画停電などの電力使用制限を余儀なくされましたが、原薬工業会として電力使用の抑制協力などを実施しました。この大きな自然災害を一つの契機として、社会の公器としての役割を念頭に置いた支援金の拠出に対する検討をそれまで以上により積極的に行うこととし、後に発生した災害に対しても支援金の提供を行ってきました。
なお、このような原薬工業会の運営管理に関しては、様々な活動を並行して進めて行く必要があることから、総務経済委員会においては、多岐にわたる様々な役割に統一感をもって進めて行くために、委員会内に役割ごとの担当チームを設置して作業を進めることにより、より効率的な委員会運営を目指しております。
<研修懇談会について>
毎年秋に開催している研修懇談会に関しては、2019年までに18回開催してきました。研修会の内容としては、法規委員会・GMP委員会からの講演以外に外部講師を招き、会員企業のGMP・薬事面の他、事業運営面において関心の高いテーマで研修会を開催しております。また、研修会終了後のアンケート調査では、会員の方々の関心のあるテーマを把握することにより、研修内容の充実化を図る一助とさせていただいております。
2020年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響から宿泊を伴う研修懇談会については開催を断念しましたが、化学工業日報社の協力により、初の試みであるWEBセミナーを開催しました。
今後も、常に会員企業のお役に立てるような研修懇談会の開催を念頭に置き、活動していきます。
2006年~2020年
研修懇談会での研修内容一覧
10月20日~21日
GMP副委員長 田近英彦(アルプス)
「薬事法改正に伴う医薬品の製造管理について」
法規委員会 菅原貴博(エーピーアイ)
「医薬品医療機構への質問事項及びその回答について」
法規委員会 鷲見武志(住友化学)
「GMP適合性調査に関わる製造販売業者と原薬製造業者/GMP事例集の原薬に関わる改定について」
日薬連GMP委員長 長江晴男(ゼリア新薬)
10月19日~20日
GMP委員会 竹村哲二(旭硝子)
「最近の通知等による薬事規制の弾力的運用」
法規委員会 高橋邦興(第一三共ケミカルファーマ)
「重要通知の解釈 薬事規制の弾力的運用」
法規委員会 横山信二(日清ファルマ)
「ICH国際会議経過報告」
GMP委員会 松村清利(大塚化学)
10月24日~25日
法規副委員長 北島昭彦(ナガセケムテックス)
「原薬等登録原簿(MF)登録申請書作成における留意点」
法規委員会 谷川啓造(日産化学)
「原薬製造業者における品質保証システムの構築について」
GMP副委員長 井伊斉昭(セントラル硝子)
10月23日~24日
法規委員会 山本博将(トクヤマ)
「原薬製造業者の製品ライフサイクル対策について・後発用医薬品を題材にして」
法規委員会 鷲見武志(住友化学)
「中国・インドの製薬産業の動向と製薬産業のグローバル化に伴う日本の製薬業者にもとめられるもの」
GMP副委員長 井伊斉昭(セントラル硝子)
10月22日~23日
GMP委員長 常松隆男(トクヤマ)
「原薬取り扱いの手引きについて」
法規委員会 大西敦(岩城製薬)、高橋真弓(生化学工業)、落合清(白鳥製薬)、鰍沢照夫(DNPファインケミカル)、山口義行(常磐植物化学研究所)
「コンピュータ化システム適正管理ガイドラインの重要ポイントと具体的実施事項について」
日薬連品質常任委員 蛭田修(明治製菓)
「製造販売業者から見た原薬製造業者の評価について」
日薬連品質委員長 寺薗隆(中外製薬)
10月21日~22日
GMP委員長 常松隆男(トクヤマ)
「原薬製造業者から見た変更カテゴリーに関する課題」
法規副委員長 中村博英(合同酒精)
「原薬中不純物に関する最新の動向」
法規副委員長 中村博英(合同酒精)
10月19日~20日
GMP委員長 常松隆男(トクヤマ)
「中国/インドを主とした海外製造所の動向とその後の変化について」
GMP委員長 常松隆男(トクヤマ)
「承認申請に係る製造方法欄の合理的な記載方法について」
法規委員会 横山信二(日清ファルマ)
「PIC/S加盟にむけて今後の対応及び課題について」
日薬連品質委員長 寺薗隆(中外製薬)
10月11日~12日
法規委員長 中村博英 (合同酒精)
「原薬受託企業としての委受託製造の留意点と提案について」
GMP委員会 田澤信之介(白鳥製薬)
「医薬品品質システムについて」
GMP委員長 常松隆男(トクヤマ)
10月24日~25日
法規委員会 山口義行(常磐植物化学)
「市場環境の変化とGEメーカー事業戦略の方向性」
第一三共エスファ社長 義若博人
「後発医薬品の承認申請について」
法規副委員長 大塚裕昭(大内新興化学)
10月2日~3日
元エーザイ品質保証部門 下村昌夫
「原薬取り扱いに係る過去5年間における法規制改訂の変遷のポイント」
法規委員会 委員長 大塚裕昭(大内新興化学)、古田大貴(純正化学)、立川恵利(天野エンザイム)、坂田純一(マナック)
10月28日~29日
法規委員会 委員長 大塚裕昭(大内新興化学)、高橋伸夫(マナック)、樽井隆直(セントラル硝子)
「これからのGMPの在り方について考える」
富田製薬学術部長 木納康博
「監査の点検項目別の視点と認められた問題点」
元エーザイ品質保証部門 下村昌夫
10月13日~14日
GMP委員長 田澤信之介(白鳥製薬)
「平成28年度発出の薬事関連通知の主要項目に関する要点の解説及び原薬関連通知ホームページの活用について」
法規委員会 委員長 神田篤(宇部興産)、中村博英(合同酒精)、北島昭彦(三協化成)、小室孝行(白鳥製薬)
「医療・医薬品業界:大変革の到来!~10年後を見据えて~」
元バイエル薬品社長 栄木憲和
9月28日~29日
法規委員会 委員長 神田篤(宇部興産)、立川恵利(天野エンザイム)
「ジェネリック医薬品の審査における現状と今後の期待」
医薬品医療機器総合機構GE医薬品等審査部
審査役 高木和則
「製造業におけるデータインテグリティ対応の実際」
日薬連品質委員長 蛭田修(Meiji Seikaファルマ)
10月4日~5日
法規委員会 委員長 宮内浩(住友化学)、大澤宏友(大内新興化学) 高野健(桂化学) 後藤一郎(日清ファルマ)
「日本における「医薬品の適正流通(GDP)ガイドライン」作成の経緯、対応の現状および課題」
日本通運株式会社 松本欣也
「医薬品に関する制度改正について」
医薬品医療機器総合機構 上席審議役 宇津忍
令和2年(2020)年
12月15日
日薬連副委員長 豊田 弘(沢井製薬)
「固体触媒反応場を有効活用した連続精密生産プロセスの開発」
日本プロセス化学会長 佐治木弘尚
「令和元年度発出の薬事関連通知の主要項目に関する要点の解説」
法規委員会 委員長 宮内浩(住友化学) 宮崎修一(ヤマサ醤油) 片野正純(川研ファインケミカル)
<HPの運営管理について>
HPの運営管理に関しましては、2005年から今日までHPのリニューアルを実施することにより、時代に合ったHPの作成及び運営を心がけてまいりました。1回目(2009年)のHPリニューアルでは、より見やすいデザイン及びレイアウトに変更するとともに、HP上で人材募集中の会員企業を地域ごとに掲載することにより、採用活動の支援を目的としたリクルートページを開設いたしました。その後、この取り組みに関して主に薬学及び理化系の大学就職課に対して周知を行い、就職活動を行う学生に対して原薬製造業者の存在をより一層認識してもらうよう働きかけました。
2回目(2019年)のリニューアルでは、総務経済委員会及びGMP委員会、法規委員会からなるプロジェクトチームを編成し、各委員会からの意見を反映させた内容としました。従来のコンテンツを見直し、原薬について及び薬事上の説明の他、メイドインジャパン原薬の優位性も紹介し、対外的に日本の原薬製造業者の活動やその価値を周知する内容としました。また、会員専用ページには法規委員会が取りまとめている薬事関連通知の機能を充実させ会員企業の方々に、より一層役に立つ
HP作りを目指しました。
今後も、時代の潮流や会員企業からの要望を把握し改善を行っていきます。
<原薬及び原薬製造業者の周知活動>
2018年より、原薬及び原薬製造業者を国内外に広く周知していくことを目的として、原薬工業会のパンフレットを和文と英文で作成しました。CPhIジャパンや国内外のイベントにて、原薬工業会の周知活動ツールとして有効活用して頂きたいと考えております。
また、各種業界誌でのインタビューやCPhIジャパンでの講演などにおいて、会長、副会長及び会員企業の方々のご協力を頂き、メイドインジャパン原薬の優位性や原薬製造業者からの提言など、原薬及び原薬製造業者の周知活動を積極的に行ってきました。今後も、様々な形で情報発信の場を設けていきたいと考えております。
総務経済委員会は、GMP委員会、法規委員会活動以外のサポートだけでなく、当会の活動を広く周知することにより、原薬及び原薬製造業者の存在感を高めていくことを重要視しております。医薬品の有効成分である原薬の品質及び安定的な供給は、医療においても極めて重要な事であり、その為にも原薬製造現場からの情報発信や実情を伴った提言など、幅広く活動していく所存です。
以上